2002年2月22日は2ちゃんねるの日


ついにこの日がやってきた。
22時22分。
これから吉野家オフ会に行くのだ。
胸は期待で高まっていた。
高ぶる気持ちを抑えるため、心の中でルールを影唱する。




 一、馴れ合い、ナンパ目的、カメラ野郎は激しく逝って良し。(友達・彼女が一緒でも殺伐と・・・)
 二、各会場2月22日金曜日、22時22分(から10分間)厳守。 一発勝負。
 三、店に入って、椅子に座る、そして「大盛りねぎだくギョク」を頼む。コレ重要
    (女性参加者には辛いであろうと思われるから。「並ねぎだく、それと御冷」でも可)
 四、上記オーダーを耳にしたら、湯呑を両手で持ち、お茶を音を立てて飲む。
 五、時間も遅いので厨房、工房は、御両親の許可を貰ってから、教科書を詰めたカバンを持参。(強制)
 六、女性参加者は、友人、知人、彼氏同伴で。
 七、勘定は御釣りの無い様に一発で決める。(領収書は任意で)
 八、後は、無言で腕時計を見ながら小走りに店を後にし、さっさと帰れ!
 九、終始、殺伐としている事。
 十、子供の頭を撫でながら「よーしパパ、特盛り頼んじゃうぞー」とオーダーしたパパには
    その場で神に認定。参加者全員ブチ切れながら咳払い。




・・・完璧だ。
ちょうど待ち合わせていた友人達とも落ち合い、頃合も良くなってきた。
テンションも上がってきて、今ならブラクラを踏んでも気合でウインドウを閉じていけそうな勢いだ。
ふと時計に目をやる。
よし、22時22分。
僕たちは颯爽と店内に足を踏み入れた。





店内は・・・客が7割程だ。。
労働者風の男性が数人、スーツ姿の若者が数人。
スーツ姿の若者はどうやら2ちゃんねらーのようだ。
既に卓上には大盛りネギだくとタマゴが置かれている。
フライングか・・・


僕達3人は席に座った。

後から高校生の集団がやってきたが彼らの座る席はもうない。
彼らは店内で立ったまま席が空くのを待った。

店員がやってくる。
ここであの注文をするわけだ。
あの注文を・・・



「大盛りねぎだく ギョク」

「大盛りねぎだく ギョク」

「大盛りねぎだく ギョク」





言ってしまった。





店内には高校生集団の歓声が湧きあがる。
実際僕がこの注文をしたのは初めてではないのだが、さすがに3人で来て3人がこの注文をするのは初めてだ。
イケナイ、殺伐としていなければならないのだ。
僕達は必死に笑いを堪える。

・・・だめだ腹の底から笑いが込み上げてくる・・・

落ち着くために熱いお茶を音をたてながらすする。
冷え切った体に流し込まれるお茶によって多少は落ち着きを取り戻した。



気が付けば、先ほどの高校生集団も空いたテーブルに座っていた。
しかし、おかしい。
早いが売り物であるはずの吉野家なのに、なかなか牛丼が運ばれてこない。
今日は先に出されたタマゴをかき回しているうちに終わってしまうのだろうか?
そんなことを考えているうちに、あるやり取りが漏れて聞こえてきた。





「大盛りねぎだくが8丁で大盛りつゆだくが2丁、そして並盛りが1丁!」

「え?つゆだくがいくつやって?全部ねぎだくじゃないのか!?」




原因は分かった。




厨房が混乱しているからだ!




全員が2ちゃんねらーだったらまだ始末が良かった。
だが、中には2ちゃんねるの存在も知らぬまま、ただ牛丼を食いにきた真の客も混じっているのだ。
そして店中に巻き上がる歓声の渦。
厨房に混乱するなと言う方が無茶であろう。



厨房が混乱すればするほど喜ぶ2ちゃんねらー達。
自分も含めてだが、タチが悪過ぎる。





だが、一番可哀想なのはなのは何も知らずに“大盛りつゆだく”を注文した初老の男性だった。
彼に罪は一切無く、ただ“つゆだく”を、“大盛りつゆだく”を注文しただけだ。
それなのに、店内に巣食う2ちゃんねらー達から一斉に咳払いを受けるハメになったのだから・・・





第二章に続く

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